鳥取県大山町 御碕水天宮&日御碕神社
中国地方で狼信仰を追っていると、「ミサキ信仰」というキーワードが出てきます。
この「ミサキ」という言葉は古い日本語で、なかなかその実態を説明するのは難しいのですが(言い訳するようですが、柳田国男もあいまいな表現で終わっているくらいです)、ミは敬称、サキは、後先のサキで、神様が現れる前触れ・兆しとして現れる自然現象や動物、または、祟るもの、憑くもの、災いの元、神使、境界などを意味するようです。海に突き出た「岬」も、同じ語源です。また関東地方の「オサキ狐」の「オサキ」も同じ語源のようです。あまりにもいろんな意味に分かれてしまったことが、全体を把握するのが難しい理由らしいのです。
以前ブログで紹介した岡山県津山市の奥御前神社の狼さまも、「ミサキ信仰」だと言われています。この場合、狼が神の使いという神使信仰ということになるでしょうか。
船上神社の祭に参加するために鳥取県を訪れ、大山周辺の地図を見ていたら、「御崎」という地名を見つけました。大山町御崎です。ここも「ミサキ」と関係あるんだろうか?と興味を持ちました。
海に突き出た岬で、御崎水天宮があることがわかりました。
行ってみると、水天宮は小さい祠でしたが、御崎漁港の入り口で、海岸に出たら、丸い石で埋め尽くされています。誰かが石を積んだ跡もありました。不思議な光景です。
また、漁港から内陸に入ったところに新しそうな神社、日御𥔎神社が鎮座します。
これは島根県出雲市大社町の日御碕神社を勧請したといいます。漁港からの道路整備に伴って新しく移されました。境内には古そうな祠や、お結びのような三角形の岩や、狛犬だったのではないかと思われる石造物も残っています。
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