日本石仏協会公開講座「民間信仰の中の動物石像~オオカミを中心にして~」
日本石仏協会公開講座で、長野県富士見町博物館協議委員の下平さんの「民間信仰の中の動物石像~オオカミを中心にして~」を拝聴しました。日本全体の狼信仰についての流れがよくわかるお話でした。
東日本では、あまりにも三峯信仰が強く、土着の狼信仰の上に、うっすらと霧のようにかかっているというのも、よくわかりました。
そして、現在は狼信仰の痕跡が薄い地域ですが、熊野が狼信仰のルーツと関係するのではないか、という話にはハッとさせられました。
今回は、日本石仏協会 の会員でもある明治大教授、川野さんに誘われたのでしたが、川野さんと再会したのは、中国雲南省以来、20数年ぶりです。今、狛犬・神使像なども研究されているそうです。
そしてずっと気になっていたことを確認できました。水木しげるさんの雲南旅に同行できたのは、川野さんのおかげでした。水木さんの雲南旅は2回あったそうで、2回目の参加者が誰だったのかは俺は知るよしもなく、記憶は間違っていなかったことに、ようやく安心しました。
というのは、水木さんの雲南旅に同行した女性がいたはずだと、ある人に言われたことがあったのですが、どうしてもその女性を思い出すことができず、俺の記憶に自信をなくしていましたが、川野さんも参加者は男だけだったといい、その女性は2回目の参加者だったようです。ちゃんと確かめてから指摘してほしかったですね。
川野さんに紹介してもらった「狛犬千万無量」、参道狛犬ナビゲーターの山元さんに『房総の狛犬』をいただきました。とくに巻頭の「参道狛犬百景」は、単なる資料としてだけではない芸術的価値もあり、新しい狛犬写真の可能性を見た感じがします。
そして狛犬についても知らないと、狼像はわからないんだなぁと、あらためて思います。俺は、犬→犬像→狼像 と移ってきたので、今まで「狛犬」というのはあまり興味がなかったからです。でも、やっぱり神使像は、狛犬の影響だろうし、そのあたり、もう一度調べ直す必要がありそうです。
山元さんのサイトはこちらです。
https://komainu-senman.amebaownd.com
そして下平さんの発表後、下平さん、川野さん、山元さんと、その場で話題になったのは、「狛犬と狼像」の境がわからないというものでした。俺も、この点についてずっと感じてきたので、みんなそうなんだなぁと。
個人的には、それに加えて西日本の狼像は狐像とも似ていて、混迷は深まるばかりです。
最近のコメント