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2022/10/24

2023年の干支は「卯」

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最近「卯」「兎」の東巴(トンパ)文字のページが検索されているなと思ったら、来年の干支は「卯」なんですね。

これは12年前、年賀状で準備した「兎」のトンパ文字。あれから12年も経ってしまいました。

年末にかけて、トンパ文字の新作デザインでも考えてみます。

ナシ族は千年あまり前、表意象形文字を作り出しました。この象形文字で、民間故事伝説、宗教経典などを著しました。とくに、この文字は、トンパ(東巴)教の経典を書写 するのに用いたところから「東巴文(トンパ文字)」と呼ばれます。ナシ語では「ソチォ・ルチォ」(樹の記録・石の記録)と呼び、千数百種類(1200~1300とも言われる)の文字があります。

トンパ(東巴)教は、ナシ族の原始宗教で、太陽、月、星、山、水、風、火などの自然物を崇拝し、万物に霊魂がやどると信じられていました。 唐の時代から、ナシ族とチベット高原の吐蕃とは頻繁に接触があり、トンパ教は、チベットのボン教の影響、および仏教、道教の影響も受けているといわれます。冠婚葬祭や、病気の時や、邪気払いの時は、トンパを呼んで儀式を行ってもらっていました。トンパは、宗教儀式を司る祭司のことで「智者」を意味します。しかしこの宗教も、1950年代からだんだん廃れていきましたが、観光業や民族意識の高まりによって、復活しています。

トンパ文字で著したトンパ経典は現在でも、中国内外に2万冊ほどが残っています。経典の内容は、宗教、民俗、歴史、文学、天文歴法、哲学など多岐にわたっています。古代ナシ族の「百科全書」と呼ばれるゆえんです。

 

 

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2022/10/23

令和5年(2023年)版「旧暦棚田ごよみ」

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2023年(令和5年) 旧暦棚田ごよみについて

昨年「旧暦棚田ごよみ」は10周年目を迎えることができましたが、旧暦正月の直後、2月14日、ポスト「棚田百選」とも言える「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」が認定されました。

「棚田百選」は1999年7月に選定され、私はそのリストを頼りに翌2000年にかけて、すべての棚田を周りました。「百選」とは言っても、134カ所あったのですが、今回の「つなぐ棚田遺産」は、全部で271棚田です。数としては約2倍に増えました。中には後継者がいなくなった、耕作放棄地になったという理由でリスト落ちした棚田もあります。

1999年当時は、「タナダってなんですか?」と聞かれたり、自分の棚田が「百選」に選ばれたことを知らない耕作者がいたり、「今さらそんなもの選んでも遅いよ」という声もありました。ただその後「棚田」が一般の人たちにも知られるようになり、各地で棚田が復田されたり、オーナー制度で活気づいたり、都市と農村との交流ができたり、「棚田米」がおいしい米として人気になるなど、棚田と、棚田文化が消えるどころか、ますます勢いを増しているようにも思います。

「つなぐ棚田遺産」の全棚田を周ってみたいという気持ちも芽生えたので、数が多いので時間はかかるでしょうが、この20数年でどれだけ棚田の状況が変わったのか、この目で確かめたいと思っているところです。

ところで、昔の人は、毎日変化する月の満ち欠けに規則性を見出し、暦を生み出しました。ただ、月の満ち欠けだけでは、季節がずれていくので、太陽の動きも考慮したのが太陰太陽暦です。

日本では中国由来の太陰太陽暦を日本風に改良して使ってきましたが、明治6年から太陽暦(新暦/グレゴリオ暦)に変更され、それまで使っていた暦は「旧暦」と呼ばれることになりました。

月の満ち欠けは心理的にも物理的にも、人間の生活に影響を与えるものでした。だから時の為政者たちは暦作りにいっしょうけんめいになりました。暦は世の中の安定を保証するものだったからです。

世界標準となった太陽暦によって科学技術が発展し、豊かになったのも事実なので、否定するものではありませんが、旧暦と新暦の併用を提案したいと思います。中国、台湾、ベトナム、韓国などの国々では旧暦を併用していますが混乱はありません。むしろ旧暦も併用すると生活に潤いが増すような気さえします。

私たちもこの10年旧暦を使ってきて、確実に月を見上げる機会が増えたし、田んぼの稲の様子の移り変わり、周辺の草花、気温の変化などに敏感になったのは確かです。これは旧暦を意識しているからにほかなりません。

新暦に慣れているので、旧暦ごよみは初め使いづらいかもしれません。でも、「使いづらさ」とか「微妙なずれ」が、普段は何気なく、気にも留めないことに意識を向けさせてくれます。それは私たちがこの10年で実感してきたことです。

 

「旧暦棚田ごよみ」令和5年(2023年)版
「旧暦棚田ごよみ」のご注文は、棚田ネットワークのHPでどうぞ。

 

 

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2022/10/20

【犬狼物語 其の六百二十七】埼玉県越谷市 香取神社の子安犬

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香取神社にも「安産の石」が置いてあります。子安信仰の丸い石です。撫でると子どもに恵まれるという言い伝えがあります。

ここ何年か、お宮参りとかお食い初めの写真撮影を依頼されることも多くなり、そこで、この産育に関しての「犬」と「石」の信仰というものに興味が出てきた話は前にも書きました。

ここが特徴的なのは、子安信仰の犬像と石がいっしょに置かれていることです。

新谷尚紀著『生と死の民俗史』「境界の石」「産育の石をめぐる民俗心意とその儀礼的表現のメカニズムには、

「同じく小石を身近におきながら妊娠、出産、育児の各段階でそれぞれ民俗としての意味づけが異なっているという点である。出産以前においては、子授けや安産、出産前後には産神、離乳のころには歯がため、というふうにである。」

子産石とは自然石で、長い年月をかけて海の波で削られて丸くなり、本体の大岩から分離してできたものだそうです。あるいは川に流されるうちに丸くなった石もあるでしょう。

どれも、まん丸で、見た目だけでも「普通じゃない、特別の石、珍しい石」と思うのですが、大きな岩から「生み出された」という生成の経緯を聞くと、なおさら丸い石が子授け祈願と結びつくのが分かるような気がします。

石は子供の成長とともにその役割を変えていきますが、離乳時には、「歯固めの石」として使われます。香取神社には、白い「歯固めの石」も置いてあります。

香取神社 には何度か参拝していましたが(仕事も含めて)、あらためて、子安信仰における石の役割の段階が目に見える神社だったんだなぁと気がつきました。 

 

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2022/10/17

【犬狼物語 其の六百二十六】埼玉県川口市 氷川神社の「撫で犬」

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この神社には、子安信仰の「撫で犬」像があります。富士塚の頂上です。

俗に犬は、安産・多産であること、また、生命力にあやかろうとして子安信仰の対象になったという。

今でも、戌の日に安産のお参りをするとか、妊娠5か月の戌の日に妊婦が岩田帯(腹帯)をつける習俗は残っています。犬張り子、犬の子のお守りもあります。子安信仰と犬には親和性があるのは確かですが、それではどうして他の動物ではなかったのか、という疑問をずっと思っています。 いまだにはっきりした資料や文章に当たっていません。

ただ、「犬」だけではなく、「狼」、「狐」を含んだ、イヌ科動物まで広げて考えると、それらしい理由がおぼろげながら見えてくるような気もしています。

 

 

 

 

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2022/10/16

【犬狼物語 其の六百二十五】埼玉県朝霞市 宮戸神社の御嶽神社

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北朝霞駅から徒歩20分。道が下り始めるところ、つまりそこが新河岸川を望む台地の縁「みさき」でもあるわけですが、宮戸神社が鎮座します。

宮戸神社の末社として御嶽神社と稲荷神社があります。

 

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2022/10/10

平成5年版「旧暦棚田ごよみ」

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来年(平成5年)版の「旧暦棚田ごよみ」が送られてきました。

表紙は、愛媛県内子町の「泉谷の棚田」の秋の風景です。

農家の人が映ってますが(探してみてください)、その姿と比べると、どれだけこの棚田の段差が高いかがわかってもらえると思います。

暦については、販売HPなど、後日、詳しい情報をお知らせします。

 

 

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2022/10/08

今日から二十四節気「寒露(かんろ)」、七十二候「鴻雁来(こうがんきたる)」

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一昨日、昨日と、一気に寒くなりました。しかも雨が降っていたので、なおさら寒く感じました。

二十四節気の「寒露」は、露が冷気によって凍りそうになるころ、また初候の「鴻雁来」は、雁が北から渡ってくるころという意味です。

「清明」の次候には「鴻雁北(こうがんかえる)」がありますが、これと対になっています。 

 

 

 

 

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2022/10/02

【夢日記】隠れユダヤのモニュメント

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前に見た夢のことを少し。

 それは、絵のようなモニュメント(建物)が印象的な夢でした。外国ふうでもありますが、舞台は日本のどこか地方の町です。

 

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ある先生に講演を依頼することになって、打ち合わせに自宅を訪ねた。

 歴史学者か何かだったが、棚田関係者向けなので、少なくともコメに関することを話してくれるように頼んだ。

 自宅には30歳くらいの先生の娘さんがいた。窓から見えるモニュメントを指して、あれはユダヤ教のモニュメントであることを教えてくれた。

柱が斜めに立っていて、3個ほど、和太鼓風のものがぶら下がっている。屋根は教会風だ。

昔の古い写真があって、そこには別な建物が建っていたが、基礎部分は同じで、角度から推察すると、古い写真はこの窓あたりから撮影されたものらしかった。

隠れユダヤ村みたいなものがこのあたりには昔からあったらしい。

それを見に行ってみることにした。娘さんが案内してくれるという。

 自宅から歩いて10分ほどだったが、彼女たちは引っ越してきたばかりだという。先生もだからこのモニュメントにはまだ来ていない。そのうち来るのではないかなという。

 モニュメントの前に看板らしきものがあったので、説明書きを読みたくなった。どんな由来のモニュメントなのだろうか?

 向かう階段を上って行ったら、どうしたわけか道に迷ってしまって、市場のような通路に入り込んだ。

 人通りが多くて狭いところだ。活気がある。

 そこを抜けて階段を上がると、狭い通路に荷物を置いて、食事でも頼んだのか、男がテーブルについていて、他の人から迷惑だと非難されていた。

 俺もその荷物を何とかまたいで通路を抜けて、モニュメントへ向かった。

 どうしてすぐにたどり着けないのだろう。目の前に見えていたのに。

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これはいろいろと自由連想を用いてイメージを膨らませる必要がありそうです。でないと、意味がわかりません。でも、少なくとも、この隠れユダヤのモニュメントが一番印象深いので、これがこの夢のキーであるのは間違いないでしょう。

そこで、「隠れユダヤ」とありますが、おれはあまり「ユダヤ」のことは知らないし、係わりもなかったので、おそらく、「隠れキリシタン」のことではないかと思います。

今のところわかるのはそれくらい。単純に隠れキリシタンの天主堂に、行きたくても行けない、ということだけではないことは感じます。もっと何か隠れている深層心理がありそうです。

  Enigmaを聴いているからか、とも思います。世界観が少し似ているかなと。

 

 

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