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2023/01/29

普通救命講習

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これも危機管理のひとつとして、市の普通救命講習を受けました。心肺蘇生(胸骨圧迫)とAEDの使い方です。

今コロナ禍なので、心肺蘇生の中の人工呼吸はやらないことになっているそうです。胸骨圧迫(心臓マッサージ)だけですが、やってみると、かなり体力を使うことがわかり、もし周囲に人がいたら、その人たちにも助けてもらうことが大切なんだなぁと知りました。

それからAEDの使い方も、実際にやってみて、これなら使えるかなと少し自信は付いたかなぁと思います。

講習を受けたあと、修了証カードももらいました。

知識では知っていても、具体的な体験がないと、たぶんその場になったらできないだろうなとずっと思っていました。実際、そういう体験があったからです。

だから講習会で実際にやってみることは大切です。ただ、教科書通りにいかないだろうなという不安もあります。

とにかく、一番大切だなと思ったのは、周囲の人に声をかけて助けてもらうことです。ひとりでは大変だということがわかりました。

 ただし、その場合、「だれか救急車呼んでください」とか「だれかAED探してください」はダメで、目の前の人に直接向かって「119番に電話して救急車呼んでください」とか「あなたは、AED探してください」と具体的な指示をした方がいいそうです。

これを聞いて、「傍観者効果」を思い出しました。ビブ・ラタネ、ジョン・ダーリー 著『冷淡な傍観者―思いやりの社会心理学 』があります。

1964年にニューヨークで起こった婦女殺人事件「キティ・ジェノヴィーズ事件」というのがありました。たくさんの目撃者がいたにもかかわらず、誰も警察に通報もせず、助けなかったというこの事件をきっかけに、心理学者がある仮説を実験して確かめたという話です。

結論は、緊急事態の現場に居合わせた人の数が多いほど、助ける人が少なくなるというもの。これを「傍観者効果」と呼びます。

その後、癲癇発作や、煙が出るなどの実験でも確かめられました。

どうしてそうなってしまうんでしょうか? 大きく2つの理由があるそうです。

【責任の分散】 人数が多いほど、自分よりも援助に適した人がいるはずだ、自分がやらなくてもいい、ほかの人にも責任はあると考えてしまう。

【集合的無知】 みんな同じことを考えていることを知らず、自分の考えはほかの人とは違うのではないか。自分では緊急事態なのかもと思っても、周りの反応を見ると、他の人たちは何もしようとしていないのをみて、緊急事態ではないんだと思い込んでしまう。みんながそう考えてしまうので、誰も助けなくなってしまう。 

俺も2回の「緊急事態」に遭遇しました。火事と、発作を起こした男です。

近所の火事での意外な行動(2013/08/17)

素人に応急処置は難しい(2014/09/15)

発作を起こした男を見たとき、俺も救命措置の知識がないので、自分よりも適した人がいるはずだとは思って、ちょっとだけ助けに向かう時間は遅れたということは事実です。

その場には、俺のほか6人ほどいましたが、男の異変に気がついても、みんな何もしようとしませんでした。でも、たぶん、内心は俺と同じだったのかもしれません。

そこでもし講習を受けていた人間がいたなら、その人が中心となって、みんなも救命措置を手伝うことになるのではないかと思います。

 

 

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