【犬狼物語 其の六百四十八】「お犬さま」「狼さま」のイメージ
23年開設という「精神分析とユング心理学」。今期、放送大学で受けるのはこれかなと思います。以前大場登先生の「精神分析とユング心理学」を受講したのですが、これも受けられるようです。
「お犬さま」はイコール「ニホンオオカミ」ではなく、日本人の集合的無意識の意識化されたイメージという面もあるんだろうなと思っています。夢や昔話と共通するものを感じます。
なのでイメージを重視するユング心理学は「お犬さま」と相性がいいのです。狐憑き、犬神憑きなど、今では精神疾患のひとつとして考えられている症状ですが、心理臨床の場面でもイメージを使います。狼のイメージを使っているかはわかりませんが。
昔、憑き物を祓うのが狼というのも、犬神や狐よりも狼は強いという信仰をみんなが持っていたから祓えていたのだろうと思います。
目に見えない病気や災いも、犬神、狐という具体的な目に見える形に置き換え、また、それを祓う方も、狼という具体的で最強の動物をイメージすることによって、より祓いやすくなるということではなかったかと思います。そして、病気や災いの元凶である犬神や狐を、その患者の体内から追い出し、場合によっては、「よりまし」に一時的に移らせて(憑かせて)、それを遠くに捨て去るということで憑き物を治していたと考えられるかもしれません。
「目に見える形」というのが重要なのではないでしょうか。目に見えないものは、怖いし、どう扱ったらいいかわからないものです。どんな形であれ、目に見えるものなら、扱いやすくなり、効果百倍です。
ところで、上に掲載の写真は、香川県さぬき市に鎮座する津田石清水神社の狼さま。
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