【犬狼物語 其の六百五十八】三重県津市美杉町 仲山神社
ごぼう祭という奇祭が行われる神社です。一の鳥居のそばに狛犬がいますが、それは普通の狛犬です。その上、石段途中に常夜灯と向かい合って像が建っています。これがかなり個性的な顔をした石像で、狼像なのかどうなのか。右が「あ」、左が「うん」になっています。又間の表現から両方とも雄らしい。
目の表現も独特で、2体とも昔の飛行機乗りがかけていた眼鏡のように見えます。右の台座には、「T氏」「東京小石川 TT」、左の台座には「T氏」「明治三十六年四月建之」とあります。
下之川村の村長を務めた向田育郎さんが著した『下之川の今昔』(昭和57年)に、仲山神社のことも書いてあって、この狛犬についても触れていました。
狛犬 高さ七尺 明治三十六年四月建立 東京小石川 TT寄進
ただし、この像の由来、狼かどうかという記載はありません。
あとで調べてみると、翌、明治37年(1904年)は、2月10日にロシアに対し宣戦布告を行い、日露戦争勃発した年でもありました。
『下之川の今昔』には、この像の記載と同じページに明治39年4月3日に仲山神社で行われた日露戦役凱旋祝賀会の写真が掲載されています。
日露戦争とこの像が関係あるのでしょうか。その可能性はまったくないとは言えないかもしれません。
2体とも雄であること。それこそ飛行機乗りを模した像なのでは、という妄想も。
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