【犬狼物語 其の六百五十九】愛知県豊川市 中山神社の御仮屋
豊川市中山神社のお犬さまです。
狐などの憑きものに霊験があるとされる岐阜県恵那市、中山神社の御仮屋で、お犬さまの像が安置されています。
御仮屋は、中山神社だけではなく、三峰神社の三峰講などにもあり、「御眷属拝借心得書」によると、
「お犬さまは自分の山林や庭の小高い場所、あるいは鎮守社の境内に木材・茅・藁の類で仮宮を造営して清浄にまつるように指示されている」(黒田 一充『関西大学博物館紀要』「代参講のお仮屋」)
とあります。
この祀り方は、偶然なのか、岡山県の奥御前神社の狼さまを迎える本勧請と似ている気がします。
本勧請では、新しく生まれた子狼が入った木の小宮を受け取ったあとは、どこにも立ち寄らずまっすぐ帰宅するのが習わしになっています。小宮は庭先に、地上から1mほどの高さの脚をつけた祠をつくり祀ります。祠の三方をかこいますが、正面には扉はつけず、竹の簾を垂れておくと、狼様は自由に出入りできるので、火難・盗難を防ぎ、狐狸・悪霊を追い払い、屋敷を守ってくれるという。
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