【犬狼物語 其の六百七十四】オオカミからイヌへ
(出典:「社会実情データ図録」https://honkawa2.sakura.ne.jp/0455.html)
人間によって家畜化された動物はたくさんありますが、 家畜化されたのは、ほぼ、農耕が始まった時期以降です。
「社会実情データ図録」の図は分かりやすいので、引用させていただきましたが、その中でイヌが一番早く、遅く見積もっても12000年前になり、早い説では32000年前というのもあり、それだとホモサピエンスではなく、ネアンデルタール人まで遡ります。
まだこの起源ははっきりしませんが、はっきりしているのは、動物の中でも、イヌが一番家畜化が早かったということです。
どうしてなんでしょうか。
イヌがオオカミから家畜化されたのは農耕が始まる前、狩猟採取の時代。偶然に人間に近づいたオオカミが人間の食べ物をあさり、人間のそばにいるような個体が現れた、あるいは子オオカミを拾ってきて飼い始めたというのが一般的なストーリーだと思います。俺も今までそう思っていました。
ところが、このイヌの家畜化が他の動物と比べて早いことから、本当に「偶然に」なのだろうか?と疑問を持っています。そこには何かメリットがあった、あるいは、そうせざるをえなかった事情があるのではないか、と思えるのです。
一番のメリットは猟をするときに助けてくれる動物です。オオカミの猟の仕方については昔から観察していただろうから、その優れた能力は人間も理解していたでしょう。そこにあこがれ、トーテムにもなったくらいです。
だから「偶然に」ではなく、もっと積極的にイヌの家畜化が行われたのではないか、とも思うのです。つまり人間はイヌを意識的に作り出したのではないかということです。
先日も書きましたが、イヌ(オオカミ)の集団行動を取り入れたことで肉体的に弱かったホモ・サピエンスも発展をとげることができました。
それとは逆に、イヌの方が積極的に人間に近づいた可能性もありそうです。そのために、人間に怖がられないような外見(たとえば目)や人間に役に立つ(たとえば吠えること。オオカミは吠えない)ことが選択圧として働いたという説があります。イヌも生物としての生き残りをかけて人間に近づいたということもあり得そうです。
一方的にではなく、双方が、双方とも、近づいていったということのようです。(だからwin-winだった)
このことについてはまだいろいろと調べていかないとわからないのですが、今の段階では、そんな物語が自分にはぴったりくるかなぁと。
| 固定リンク
コメント