「棚田」と「犬」の接点
今までテーマとしてきた「棚田」と「犬」には意外な接点があります。こじつけではありません。
中国南部の少数民族には、「稲を犬が持ってきた」という伝説が多く伝わっています。
例えばチワン族やミャオ族の伝説では、犬が天上の稲モミを尾に付けて運んできました。犬の尾が稲穂を連想させるからだという説もあります。穀物起源の話と犬は意外と関係が深いのです。
チワン族の伝説では、9尾の犬が天上のモミを付けて逃げるのですが、途中8尾は切られてなくなってしまいます。最後に残った1尾に付いていたモミが人間界にもたらされて、稲作をやるようになりました。
日本では、直接犬が稲を運んできたという伝説は少ないようですが、弘法大師が薬草(麦の種子)を盗んできたという話は伝わっています。香川県善通寺市にある「犬塚」も、この伝説の碑です。
その義犬伝説とは、善通寺市のHPによると、こういったものです。
「唐に留学していた弘法大師が天竺の国に行った時のこと。天竺の国王は大切にしていた薬草を持ち出されないように、番犬を使って畑を管理していました。他では手に入らない薬草を何とか手に入れたいと考えた弘法大師は、3粒の種を足の股の肉を裂いてその中に隠して持ち帰ろうとしました。ところが1匹の番犬がひどく吠え、問いつめられた弘法大師は盗んでないといい通し、犬は番人に叩かれて死んでしまいます。かわいそうに思った弘法大師は犬の死骸を持ち帰り、長安で真言の秘法を施して生き返らせます。薬草とともに犬も一緒に帰国し、その後、死んだ犬を祀ったという話です」
この場合も、犬が関係しています。犬は、麦が盗まれないように見張る番犬です。立場は違っていますが、これも穀物起源と犬が関係している話です。
それと、日本では花咲かじいさんと言われますが、中国には犬が田畑を耕す「狗耕田」という民話があります。
ここほれワンワンの花咲か爺さんのルーツ話ともいわれるようですが、犬がここほれワンワンというのを聞いて人間が掘るか、それとも犬自身が掘るかの違いはありますが、(ここから先は俺の勝手な想像ですが)、黄金(宝)を見つけたというのは、「稲(穀物)」なのかもしれません。
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