【犬狼物語 其の七百三十二】長野県佐久市 考勇亀松墓
松林の中に「孝勇亀松墓」と書かれた一基の墓碑が立っています。
亀松というのは、オオカミに襲われた父親を助けた11歳の少年です。1788年9月25日夕の出来事でした。
当時、田畑を荒らす害獣が多かったので、番小屋を作って村民が交替で農作物を守っていました。
その日、番小屋に詰める亀松の父親にオオカミが噛みつきました。父親の叫び声を聞いて駆けつけた亀松は、鎌を狼の口にさしこんで引張っりましたが柄が折れてしまったので父親の鎌をとってようやく引きはなすと、今度はオオカミは亀松に向ってきました。両手親指をオオカミの眼に突込んでえぐり、つまずいたところをめった打ちにして倒し父親を助けました。
この事件は将軍の耳に入り亀松は江戸まで召出されて賞を受けました。
明治時代になってから、亀松の武勇伝は小学校の修身の教科書に載るようになります。孝行息子の模範として全国津々浦々にまで亀松少年の話が知れ渡るようになったのです。そこで郷里の人々が力を合わせて顕彰の「孝勇亀松墓」の碑を建てました。碑面の題辞は勝海舟が書いています。
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