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2024/03/31

【犬狼物語 其の七百四十二】個人宅の宝登山神社

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ある個人の屋敷に祀られている宝登山神社の祠に置かれていたお犬さまのお札。

以前ここにも10戸ほどの宝登山講がありましたが、今は代参が途絶えています。みなさん務めているので決められた日に参拝するのが難しくなってきたからだそうです。

それで、これは戌年に代参した時の最後のお札になりました。 

 

 

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2024/03/30

【犬狼物語 其の七百四十一】三峯神社のあうんのお犬さま像

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三峯神社祠に掲げられた、あばら骨が強調されているあうんのお犬さま像プレートです。

秩父三峯神社の社紋として用いられている菖蒲菱もあります。

 

 

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2024/03/21

【犬狼物語 其の七百四十】イヌの起源とニホンオオカミとの関係

287a0314_20230213081401(奈良県大淀町所蔵のオオカミ頭骨)

「すべてのイヌはニホンオオカミの祖先から誕生? 遺伝情報で迫る起源」という記事が朝日新聞デジタルに掲載されました。

記事内にリンクがあり、科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表された論文はこちらを飜訳して読めます。

https://doi.org/10.1038/s41467-024-46124-y

イヌがどのように家畜化されたのか、今のところ想像するしかありませんが、ニホンオオカミの祖先から、しかも東アジアでイヌが誕生したというのはテンション上がります。

そういえば、イヌの起源についてこんな変わった説もありましたね。

子オオカミを人が育ててイヌにしたというのですが、子オオカミに乳をあげることができたのは人の女性しかいないというストーリーです。家畜化された動物で一番早いのがイヌなので、牧畜は始まってなく、牛や山羊の乳の利用もなかった時代です。古代ローマの建国神話、ロムルスとレムスは牝オオカミに育てられたとされますが、これは人がオオカミを育てる逆パターンですね。

確かにそれはあるかも。ただし、家畜化が子オオカミを育てたからだったら、です。

この論文を読んでそうだよなぁとあらためて思いました。

「イヌの家畜化の時間的起源、つまりイヌがいつ人間と関わり始めたかは、オオカミとイヌの個体群間の遺伝的分裂時間と同一視できないため、イヌの家畜化の起源については依然として議論が続いている」(google翻訳より)

とありました。当たり前ですが、DNA解析でわかるのは、オオカミとイヌが分岐したことであって、それに人間がどのように関わったかはわからないということです。だから自分の乳を飲ませて子オオカミを育ててイヌにしたというストーリーも想像の域をでません。

イヌがオオカミから分岐したのは間違いありませんが、人が家畜化してイヌになったというのは証明できません。なんだか常識を覆されたような気分です。「イヌは人が家畜化した」の思い込みがあるということです(俺だけ?)。

 

 

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2024/03/18

乙女稲荷神社と庚申塔

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根津神社内の乙女稲荷神社。

狼像 が紛れていることがあるので、狐像 の中をつい探してしまいます。尻尾が直立していなかったりすると余計に。 

その隣には6基の庚申塔。

その中の1基、寛文八(1668)年の青面金剛です。

 

 

 

 

 

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2024/03/17

埼玉県行田市 前玉神社

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前玉神社は「さきたまじんじゃ」と読みます。さきたま古墳群に隣接した、7世紀前半ころに造られた浅間塚古墳のてっぺんに鎮座します。

武蔵国前玉郡は、726年(神亀3年)正倉院文書戸籍帳に見える地名だと言われており、「前玉郡」は後に「埼玉郡」へと漢字が変わり、現在の埼玉県へとつながります。埼玉県名の発祥となった神社であると言われています。

花手水には、古墳群にちなんだと思われる埴輪ふうの人形なども飾ってあります。

本社に登る階段の元に、元禄十年(1697)に奉納された高さ180cmの2つの燈籠があります。この燈籠には万葉集の歌、「小崎沼」と「埼玉の津」が刻まれています。

境内で暮らす猫の特別限定御朱印が人気だそうです。

 またこの辺りで昔から食べられている「いがまんじゅう」(鴻巣市(旧川里町)が発祥)という和菓子をいただきました。まんじゅうが赤飯で覆われていて、食べる前は、視覚から味覚を予想できずに混乱しますが、食べたらおいしいというものです。

 

 

 

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2024/03/16

【犬狼物語 其の七百三十九】弘法大師と犬

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弘法大師を高野山に導いた2頭の犬像は、当ブログでも何度も紹介している通り高野山はじめ全国にたくさんありますが、徳島県には、その故事とは違う弘法大師の義犬像があります。

四国第十番札所「切幡寺」から西へ数キロメートル行った静かな里は「犬墓(いぬのはか)」という地名です。田んぼや畑が広がり、近くには低い山が続いている典型的な里の風景です。

ここに、弘法大師伝説の犬像があります。阿波市観光協会HPによれば、

「犬を連れてこの地の山に分け入った弘法大師が猪と遭遇したところ、その犬が弘法大師を猪から守りました。しかし犬は、誤って滝壺に落ちてしまい、犬の死を憐れんだ弘法大師が犬の墓を立てこの地を犬墓と名づけたと言われています。墓は享保(1716~36)の頃、犬墓村庄屋松永傳太夫が造ったとされています。」

「犬墓大師堂」の前には、弘法大師と義犬(忠犬)の像が置かれています。この像自体は、平成14年8月に建てられました。

像の反対側には、いくつか古碑や祠が並んでいますが、その中に丸い石が載ったお墓があります。これが義犬の墓です。

34cm×40cmの基礎石(五輪塔の地輪部分が残ったもの)の正面に「戌墓」と刻んであります。その上に径が36〜40cm、高さ23cmの楕円形の自然石を置いてあります。

基礎石の右側面を覗いてみると、犬のレリーフがありました。長さは20cmくらいでしょうか。一部は苔が生えていて、うっかりすると見逃してしまいそうな可愛らしいレリーフです。

 

 

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2024/03/14

【犬狼物語 其の七百三十八】弘法大師を高野山に導いた2頭の犬

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全国の犬像を周っていると、弘法大師にゆかりの場所で犬像に出会うことが多い。

唐から帰国した弘法大師が、狩場明神が連れた2頭の犬の導きで高野山にたどり着いたという故事に由来します。

 

 

 

 

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2024/03/13

【犬狼物語 其の七百三十七】埼玉県鴻巣市 山神社

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大山祇命を御祭神とする山神社です。 

明治39年、山の神公園地から現在地に遷座したそうですが、このあたり新しそうな住宅街になっています。10年前のナビでは地図が違いました。

境内には浅間大神も祀られています。浅間大神は木花之佐久夜毘売命のことで大山祇命の娘にあたります。

 

 

 

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2024/03/12

【犬狼物語 其の七百三十六】埼玉県鴻巣市 宝登山神社

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「狼信仰関連地図」に載せた神社巡りは続きます。

これは鴻巣市の宝登山神社。埼玉から、群馬にかけて点在する宝登山神社では、ほとんどで祠にお犬さまのお札がちゃんと祀られていました。ここにも五人講向けのお札がありました。

『宝登山神社誌稿』によれば昭和53年4月時点で、鴻巣市には34の五人講がありましたが、これは熊谷市、行田市に次いで多い所です。

 

 

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2024/03/09

さいたま市大宮盆栽美術館

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 何度も行っているさいたま市大宮盆栽美術館ですが、~3月20日(水祝)まで、特別展「煎茶と盆栽~「盆栽」の夜明け」をやっています。

今日の盆栽文化が成立した過程には、幕末から明治時代にかけて大流行した文人たちの煎茶趣味が関係していたこと、初めて知りました。 

庭園のみ写真撮影可です。掲載写真、上から順に

推定樹齢120年の欅

推定樹齢120年の五葉松

推定樹齢350年の五葉松「青龍」

推定樹齢45年の欅

じっと見ていると、根元に人や動物のフィギュアを置きたくなってきます。箱庭療法です。

箱庭療法は、スイス人のドラ・カルフがユング心理学を基盤として発展させて確立した心理療法です。箱庭にミニチュアの人形や動物や建物や植物などを配置するもので、無意識に降りてゆき、心を癒すひとつの方法として取り入れられているものです。

日本の江戸時代にもありました。盆の上に石を置いて風景を作る「盆石遊び」と呼ばれるものです。「盆石遊び」は小学校の教科書に載っているくらい、1950年代までは一般的な遊びだったようです。

このように伝統的に箱庭で遊ぶ文化があったので、箱庭療法が受け入れやすかったそうです。ちなみにノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士も子供のころ盆石遊びをしていました。

 

 

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2024/03/06

【犬狼物語 其の七百三十五】ひな祭りの犬筥(いぬばこ)

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「犬筥(いぬばこ)」についてです。

去年の岩槻のひな祭りのとき、江戸時代には犬筥がひな祭りにはひな道具のひとつになり、ひな段にも飾られるようになったことが、博物館展示の浮世絵から知りました。

それで今年は浮世絵ではなく、実際飾られる例があるのかと思い、何か所か展示場を見ていたら、ありました。ひな人形の下に飾られている犬筥が。

犬筥は雌雄一対、上下に開く張り子で、天皇の玉座の脇に置かれていた守護獣(狛犬)に由来するという。 この犬筥が江戸に伝わり「犬張子」になりました。犬の民俗ではたびたび出てくる「犬張子」ですが、そのルーツが犬筥です。

犬筥は、江戸時代には武家の嫁入り道具にもなり、上流家庭では産室や子どもの寝室などに置かれたり、婚礼に用いられるなどしました。犬の多産・安産にあやかった子どものお守りとして生活に密着したものでした。

 

 

 

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2024/03/04

岩槻のひな祭り

 

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2024/03/02

【犬狼物語 其の七百三十四】ニホンオオカミの高深度ゲノム: ニホンオオカミはイヌに最も近縁なオオカミ

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「ニホンオオカミの高深度ゲノム: ニホンオオカミはイヌに最も近縁なオオカミ」

https://research-er.jp/articles/view/131341

 

最近、ニホンオオカミやイヌの起源がだんだん解き明かされてきていますが、個人的には、二ホンオオカミとイヌの境目があいまいだと感じてきたことの証拠が出て来て興味が尽きません。

「江戸時代には日本列島にニホンオオカミとイヌの交雑個体がいた」というのは重要なポイントかもしれません。というのも、2種類いたらしいという報告は確かにあった気がするからです。

ただしそれぞれを「オオカミ」や「ヤマイヌ」などと区別して呼んでいたかは別の話です。先日紹介した『享保元文諸国産物帳』での呼び名のバリエーションを考えても、明確に2種類を2つの名前で区別していたとは思えません。しかも全国規模で統一された名前があったわけでもないし。

それよりも、当時の人たちは、外見で2つ(イヌでさえ)を区別することは不可能だったろうし、そもそも区別する必要があったのかということもあります。

 

 

 

 

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2024/03/01

貯金が貯まりそうな「貯金塚」

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関東大震災で混乱している中、不動貯金銀行だけが貯金の全額払い戻しに応じ、多くの人びとを助けました。それをたたえたのが芝大神宮の階段横の「貯金塚 」です。

 

 

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