【犬狼物語 其の七百四十九】埼玉県秩父市 三峯神社奥宮のお犬さま像(2)
三峯神社奥宮には全部で14体(+壊れたもの)のお犬さまたちがいますが、そのうち12体は、社殿の右に建っているふたつの石碑の周りにいます。
石碑は、昭和41年に建てられた「奥之宮社殿改築奉献記念碑」ですが、この中に前回紹介した「銚松講」が奉納したお犬さま1対がいます。
そこで調べたところ、狸のような丸顔のお犬さまは、やはり銚子の石工の作でした。もちろん銚子の松岸三峯神社に奉納してあったお犬さまもこの石工と、先代の石工、ふたりの作だとわかりました。
現在「銚松講」はなくなったそうですが、昔は熱心に講の活動が行われていたそうで、このお犬さまも背負子に載せられてはるばる銚子からこの奥宮まで運ばれてきたといいます。
遠い銚子の三峯神社と奥宮が、お犬さまを通して、空間的・時間的に実際につながっているのを感じるのは、少し感動ものです。「山と海はつながっている」が実感されます。
その日は快晴で、あまりにも眺望がいいので、つい、奥宮から銚子が見えるのではないかと錯覚するくらいでした。
他の壊れかけたお犬さまにもいろんな物語があるのでしょうが、残念ながら文字もなく、わかりません。奥宮は、いずれここで風雨にさらされ土に帰っていくお犬さまの安住の地にもなっているようです。
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