「縄文犬」と「弥生犬(?)」
埼玉県加須市長竹遺跡から、これまでに縄文時代・晩期(約3500〜3000年前)の動物形土製品が複数出土しています。その中に犬形土製品もあります。
頭から尾までは長さ7.3cm、足から耳の先端までの高さが4.9cm、、重さ40.5gの小さな土製品です。立った耳と巻尾が特徴的で、目・鼻・口の表現はない。その代わり尾の付け根下に肛門のような穴があります。
使用目的はわかりませんが、何かの儀式・お守りのたぐいではないかと推定されているようです。
また、藤岡神社遺跡から縄文時代後期の犬型土製品や、犬の頭骨などが出土しています。犬の頭骨からは、樹脂で縄文犬が復元されて、「藤丸」と名前が付けられています。
年齢は2歳、肩までの高さは37cmで柴犬くらいの大きさです。額から鼻にかけてのストップ(額段)がなく、狼にも似ています。手足が太く引き締まった体は、優秀な狩猟犬を思わせます。
西原大塚遺跡で平成7年度に発見された「動物形土製品」ですが、管理センターのスタッフによると、以前は「弥生の犬」と呼んでいたそうです。まだ「犬」と確定していないので、正確を期すために今は「動物形土製品」と呼んでいます。 もしこれが「犬」だとすると、全国でも土製品としては唯一の資料(弥生時代では?)になるようです。両耳は立っていて、巻尾で、口までちゃんと表現されています。小型犬のようです。
| 固定リンク
« 神霊製造パターン | トップページ | 巨石 »
コメント