【犬狼物語 其の八百十四】矢嶋正幸氏の講座「オオカミの護符の作成者について」
飯能市立博物館の企画展「レアなおふだ」の関連講座として、矢嶋正幸氏「オオカミの護符の作成者について~おふだ研究の最前線~」がありました。
作成者に焦点を当てたというのは珍しいかなと思います。どのような人たちがお札作成に関わっていたのか、そういう視点でお札を見たことはなかったので新鮮でした。
そして、狼像との関連で気がついたのは、お札に描かれた狼の姿と、拝殿前に奉納されている狼像の姿には、対応関係が無く、別々に影響を受けて形作られてきたんだなぁと。
たまたまその神社で授与しているお札の狼の姿と狼像が似ているということはあるかもしれませんが、ほとんど関係ないようなのです。
例えば、岩根神社の掛軸用大札の「見返り姿」「垂れ耳」「あばら」の狼の姿と両神神社・龍頭神社のお札の狼の姿とは似ていますが、これの元になったのは、享保5年の『絵本写宝袋』9巻に「そてつとからいぬ」という絵があって「見返り姿」「垂れ耳」「あばら」がそっくりです。だからこの掛軸用大札に関しては、間違いないようです。ただ現在授与している巌根神社のお札(小札)の狼は、これとは違っています。むしろ拝殿前の狼像と似ています。
そして『絵本写宝袋』を調べたところ、この「そてつとからいぬ」の絵の他に、狼の絵もあったにもかかわらず、「そてつとからいぬ」の方を選んだのはなぜだったのか? 製作者に聞いてみないとその謎についてはわかりません。
お札はお札、石像は石像でのそれぞれの元ネタや、人間関係・影響があったということのようです。もちろんそこには時代の違いもあるということなのでしょう。
矢嶋氏もおっしゃっていましたが、お札研究はまだ始まったばかりで、わからないことがたくさんあります。だから表題のサブタイトルにも、「おふだ研究の最前線」とあるんですね。
俺は狼像から狼信仰に興味を持ちましたが、狼像の形も、お札の狼の姿も、どういう関係があって、どういう影響でこういう形になって来たか?というところにも興味が出てきているので、狼のお札についてもこれからルーツを探っていきたいなと思わせる講座でした。
これは人間の「イメージ」の問題でもあるので、心理学的な興味もわいてきました。
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