カテゴリー「【犬狼物語】犬像と狼像(狼信仰)」の969件の記事

2025/11/17

「レアなおふだ」展

287a1633_1 287a1665_20251117063901 287a1687

 

飯能市立博物館で開催中の「レアなおふだ」展にようやく行くことができました。

この中で特に関心があったのは、やっぱり「狼」と「猫」札です。

たくさんの狼のお札を見てあらためてその狼の姿のバリエーションの多さに面白さを感じました。

神、あるいは神使としての狼の姿は、あくまでも人々がイメージする姿です。

また、1点しかありませんでしたが、養蚕の守り神としての猫札。眉毛と髭が強調されていて独特の姿です。

午後2時からは隣の市民会館で西村先生の「秩父地域のオオカミ信仰について」の講座がありました。

狼信仰についての興味深い話は当然として、最近の熊害についても触れられました。

そこで、狼信仰における「産見舞い」からの「オタキアゲ」儀式を熊に適応できないものかといった意味の話があり、なるほどと思ったのです。

狼の場合は、襲われる前にお供え物(豆腐やあずき飯)をあげることで、被害を防ごうという発想ですが、熊に対する「オタキアゲ」という象徴的な儀式がどれだけの効果があるのかは疑問ですが、発想としては面白い。

ただ、熊の餌を山に撒くという案が実際あるらしいのですが、それで市街地まで熊が下りて来なくなるかもしれないとしても、熊の母数が増えてしまうという大問題があります。根本問題が拡大してしまうという矛盾。

儀式というのは、実際の効果うんぬんというより、人々の決意の表明でもあると思うので、熊に対する「オタキアゲ」が無意味とも思いません。

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2025/11/03

【犬狼物語 其の八百十】香取神社内三峯神社

287a6325

287a6316

287a6328

河岸段丘上のこんもりとした杜の中、我孫子市の香取神社内に鎮座する三峯神社。

お札もきちんと祀ってあります。

境内には三猿の庚申塔も立っていました。

 

 

 

| | コメント (0)

2025/10/31

「抜けびしゃく」というイメージ

287a8703_20251021070601

287a8690

287a8694

 

産泰神社は多くの参拝客が訪れますが、ここは特に、子授け祈願、安産祈願のために境内には、胎内くぐりの岩や、安産の犬の張り子像もあって、子安信仰の神社です。

その中に「安産抜けびしゃく」というものがあります。

「産泰神社では、江戸時代より底の抜けた柄杓を奉納する信仰がありました。底の抜けた柄杓で水をくむとそのまま抜けてしまうように、楽にお産ができるよう願ったものです。願いを込めて3回水をくんでください。」

とあります。安産祈願に底抜けひしゃくを奉納する風習はここだけではなく全国に広く見られるものだそうで、たしかに他でも見た記憶があります。

「抜けびしゃく」のイメージと出産時のイメージを重ねるところはすごいですね。ちょっと生々しい感じもします。

イメージの類似性をもって祈願する方法は、農耕儀礼のひとつとしての予祝行事も似ているかもしれません。「こうなってほしい(たとえば豊作)」という結果を期待して、前もって模擬的に結果を演じるものです。

イメージの力の強さはこんなところにも表れています。

 

 

| | コメント (0)

2025/10/17

「狼煙」の名前そのものが狼信仰

01_20251015152901

 

「のろし」とは古くから使われている、藁や芝などを燃やして煙を出し、遠方に合図を送る通信方法です。 

漢字では「狼煙」と書きます。狼の煙というのは、古代中国で、煙がまっすぐ高く立ち上る性質があるとされる狼の糞を燃料に混ぜていたからというものです。

唐の段成式撰の『酉陽雑俎』に「狼糞煙直上,烽火用之」(狼の糞の煙を直上させ、烽火に用いた)とあります。万里の長城には一定の距離ごとに狼煙台の跡が残っており、狼煙を上げて騎馬民族の襲来を知らせたそうです。(wiki)

参考までに「万里の長城から立ち上る狼煙」のAIで生成した画像を掲載しておきます。

狼は肉食なので糞には油分が多く含まれているため、狼の糞は黒く濃い煙がまっすぐ立ち上りやすいという説があります。

万里の長城付近には当時狼がたくさん棲んでいたのでしょう。それはわかります。でも、大量に狼の糞を集められるものなのか。そして狼の糞だけではありませんが、油分の多いものを燃やすと本当に煙がまっすぐに立ち上がるなどという性質があるのか。どうも疑問なのです。

そこで興味深い実験を見つけました。

日本でも狼の糞を入手するのは困難で、三重大学忍者(狼煙)研究会の古代山城研究会の報告によると、実際に狼煙に使われたのは杉、檜、松の葉のついた生木だったそうです。

三重大学の「発煙筒による狼煙の予備実験」(https://www.rscn.mie-u.ac.jp/iga/igakyoten/semina77/150612norosi2.html)によると、

「風向・風速が大きなカギをにぎっているようです。この煙は科学的に合成した、かなり濃度が高い物です。しかし、1500年代の狼煙は大がかりとはいえこれほどの濃度は無いとおもわれます。5-10Km遠方での確認はなかなか難しかったことが推察されます。」

このように意外と狼煙を作るのは難しいらしい。漫画ではありますが、煙がまっすぐ立ち上るところを俺は今まで一度も見たことがありません。よほど無風状態とかの気象条件が合わないと使えない通信手段であるなら、一刻を争う戦時下での価値はあったのだろうか、という疑問も。

それでも、煙が一直線に立ち上らなくても、遠くに煙が見えれば通信手段としては成功です。狼の糞を使わなくても。

古代中国では狼の糞を混ぜて燃やしたのは事実としてあったのかもしれませんが、それがメインであったかはわかりません。

ただ、狼由来にすることは、狼煙だけではなく、例えば、牙や骨をお守りにしたり、毛皮をかぶったり血を飲んだりして、狼の強さを身に着けたりしていたようなので、名前に「狼」を入れることはこれらの一連の狼信仰の流れからしても不思議ではないのではと思います。

また『神なるオオカミ』は前に読んで感動しましたがすっかり忘れていました。狼煙のことが出ていたんですね。

狼の糞を混ぜても煙がまっすぐ立つなどとは思えなく、むしろ、遊牧民には狼祖神話があるので、漢民族からすれば狼の民族の襲来を告げる狼煙に「狼」の字をつけたことに信ぴょう性を感じます。

ただし『神なるオオカミ』はあくまでも"小説"であって作者の創作である可能性もあります。

どちらにしても「狼煙」の名前そのものが狼信仰の産物なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2025/10/11

【犬狼物語 其の八百九】「狼のお札地図」アップデート

G3c4teyasaaktce

 

「狼のお札地図」アップデートしました。

前回(去年)より、10社ほど増えています。

狼のお札は埼玉県が突出して多いことがわかります。

地図にすると、日本全体を俯瞰するのに有効です。

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2025/09/14

【犬狼物語 其の八百八】三峯神社の御小屋掛(御仮屋)

287a1627 287a1629

 

三峰神社の「御眷属拝借心得書」によると、

「お犬さまは自分の山林や庭の小高い場所、あるいは鎮守社の境内に木材・茅・藁の類で仮宮を造営して清浄にまつるように指示されている」(黒田 一充『関西大学博物館紀要』「代参講のお仮屋」)

とあります。

この祀り方は、岡山県の奥御前神社の狼さまを迎える本勧請と似ています。

本勧請では、新しく生まれた子狼が入った木の小宮を受け取ったあとは、どこにも立ち寄らずまっすぐ帰宅するのが習わしになっています。小宮は庭先に、地上から1mほどの高さの脚をつけた祠をつくり祀ります。祠の三方をかこいますが、正面には扉はつけず、竹の簾を垂れておくと、狼様は自由に出入りできるので、火難・盗難を防ぎ、狐狸・悪霊を追い払い、屋敷を守ってくれるという。

 

 

 
 

| | コメント (0)

2025/09/13

【犬狼物語 其の八百七】ギリシャ彫刻ふうお犬さま

287a2626

太い眉毛とあご髭、きりっとした目。

ギリシャ彫刻にも見えてくるお犬さまの木像。

 

 

 

 

| | コメント (0)

2025/08/23

狼か猫か狛犬か

287a1431

夏にはすっかり葉っぱの中に隠れてしまっていた石像。

ある人は狼像だといい、ある人は猫像だといい、ある人は狛犬だという。

どう呼んでもこの石像は怒らないでしょう。

だから俺は「からねこ」と呼ぼうかなと思います。

 

 

 

| | コメント (0)

2025/08/20

犬は3日飼えば3年恩を忘れぬ、猫は3年の恩を3日で忘れる

 

最近は、毎日猫のことばかり考えていますが、猫は気まぐれで自分勝手に生きている動物というイメージが浸透していて、「犬は3日飼えば3年恩を忘れぬ、猫は3年の恩を3日で忘れる」などと、さんざんな言われ方をされます。

犬と比べると猫の家畜化は日も浅く、といっても1万年はあるのですが、猫はまだ完全に人間の家畜にはなっていないということでしょう。

その自分勝手で塩対応の猫の性格が、逆に適当な距離感で心地よいと感じる人もいます。俺もどちらかというとそうです。

実はヴィーノも、塩対応の犬で、いつも「猫のような犬」と思っていました。

『犬の科学』という本の、「犬に忠誠心はあるか?」というページで、

「フォックス・ハウンドとビーグルは、家具に囲まれた家庭環境に馴れさせにくく、飼い主にもよそよそしいことで有名だが、それは自分がトップだと思っているためではなく、むしろ、誰がトップだろうと関心がないからである。」とあります。

「ビーグルを飼ったのは偶然ではない」と、以前書いたことがありましたが、そのときは漠然とそう感じていたのですが、これを読んで、納得できました。

「誰がトップだろうと関心がないからである。」というくだり、まるで俺自身のことを言われているようで苦笑してしまいました。

猫のことばかり考えていたら、やたらヴィーノが恋しくなってきました。

ヴィーノが死んで1年以上、なんだか「ペットロス」が今頃来たかなという感じがしています。

 

 

 
 
 

 

| | コメント (0)

2025/08/13

【犬狼物語 其の八百六】8月13日は、国際オオカミの日

287a4413

 

今日、8月13日は、国際オオカミの日 (International Wolf Day)です。

これはお犬さまのレリーフ。

垂れ耳の表現は、狐、猫では見たことありません。

 

 
 
 

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧