カテゴリー「文化と芸術について」の137件の記事

2024/09/20

【犬狼物語 其の七百八十】武蔵御嶽神社

 

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すごいものを見てしまいました。

江戸時代の火事装束のお犬さま(狼)。現在宝物殿で展示されています。

刺繡の狼像を見たのは初めてです。火伏の神としてのあうん2体の狼像が描かれています。

刺繍糸が狼の毛並みと合っているのでなおさら迫力が。そして歯や爪は金属製で細工も細かく文化財ものです。

奥宮遥拝所と大口真神社にも参拝。

そして築山のお犬さま像(一番下の写真)。つい最近、明治26年奉納のものと判明しました。

太陽光線の当たり具合によって刻々と変化するお犬さまの表情。2時間じっくりと見続けながら、お犬さまが一番カッコイイと思える瞬間を捉えるのが俺なりの狼信仰。

ところで、右奥の牙が、数年前の牙より長くなっているように見えるのは気のせいか。

 

 

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2024/09/16

【犬狼物語 其の七百七十九】「役行者前後鬼・八大童子像」の狼

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京都・醍醐寺蔵、15世紀室町時代に描かれた「役行者前後鬼・八大童子像」。

役行者を見上げる狼の姿も描かれています。

垂れ耳とまではいきませんが、伏せ耳とあばらの表現がある狼です。

これが狼信仰のお札や狼像に直接影響したかはわかりませんが、少なくとも、昔から伏せ耳・あばらの表現のある狼の姿があったことは分かりました。

 

 

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2024/09/12

【犬狼物語 其の七百七十八】「狐狼地獄」の中の狼像

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狼像のルーツを探る中で知った「狐狼地獄」の中の狼像。

これは1180年代に描かれたもの。

歯をむき出して火炎吐く狼と、少しわかりにくいですが、腹に食いつく狐。恐ろしや~

「地獄草紙」奈良国立博物館画像データベースより

 

 

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2024/09/02

品川神社の備前焼狛犬

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品川神社を参拝した時、独特の色の狛犬があり、これはもしかしたらと思ったら、やっぱり備前焼の狛犬でした。

西日本の狼像を探していたとき、複数回、備前焼の狼像や狛犬を見たので、この色で気がつきました。

文政13年(1830年)奉納です。願主は品川の人らしいので、遠く備前焼の窯元に発注して奉納した狛犬らしい。

すばらしい造形です。

 

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2024/08/28

多武峯内藤神社内稲荷神社の狐像

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新宿御苑の東に鎮座する多武峯内藤神社。境内に稲荷神社が鎮座し、嘉永元年(1848)奉納の江戸時代の狐像があります。

左は宝珠、右は鍵を持っていて、今まで撮影してきた江戸狐の中では小ぶりな像です。尻尾は横に回してあるし、宝珠がなかったら狼像かなと間違えそうな像で、現在でも割とよく見かける狐像かなと思います。

でも造形は洗練されてて、想像ですが、高遠石工の作ではないかと。なぜなら、ここは高遠藩内藤家の下屋敷の屋敷神として祀られていたからです。

ところで、この撮影が終わって、表通りに出たら、友人と似ている男が歩いてきました。ずいぶん似た人間いるもんだと思ったら、向こうも俺を見ていて、本物の友人だとわかりました。2年ぶりくらいに会いました。その間連絡もしていなかったし、彼がここにいたのも偶然で、もちろん俺も偶然で、おそらく10秒違っていたら気がつかずに通り過ぎていたでしょう。

まったくの偶然なのですが、これを単なる偶然で済ますのも惜しい気がします。お狐さまのお導きかとも思いますが、こんな偶然を楽しみたいと思います。

それで2年ぶりに会って何を話したかというと、狼像には狐像の影響がありそうなので、ここの狐像も本に載せるかもしれない、とかいった話で、彼も少しは興味を示してくれたものの、またかぁと飽きられていたかもしれません。

 

 

 

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2024/08/25

動物の慰霊碑・供養碑

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日本にはどうして動物の慰霊碑・供養碑(依田賢太郎氏は塚と呼んでいるようだが)が多いのか、猫、蛇、犬、狼などの動物像で1冊本を作りたくなってきました。

動物と人が水平の関係=日本、動物と人が垂直の関係=西洋と捉えると、動物観の違いが表現できて、面白い本になると思うんですが。

先日見た動物供養堂の狸なんかもあるし、鯨、蚕、虫、etc と際限ないかな。 

 

 

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2024/07/22

【犬狼物語 其の七百六十七】狐信仰から見える日本の動物観

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今まで知らなかったことが、いろいろ調べたり、現場へ行って見たりして、だんだん分ってくるのが楽しいですね。狐の世界は未知でしたが、「知った後」はもちろんのこと「知る過程」そのものがおもしろいんだなぁと感じます。そして狼信仰がこれほど狐信仰と関係しているんだということに驚いているところです。

何度も書いていますが、狼には強靭・気高さを、犬には忠実・やさしさを、狐には狡猾・怪しさをイメージしますが、人間が持つ内面をこの3者に投影しているのではないかという直感は当たっているのかもしれません。(そのうち4者として狸も?)

狐は最初から今のようなイメージを持たれたわけではなく、古代は山の神・田の神そのものとして、あるいは神の眷属で良いイメージでしたが、狐付きなどの観念と中国の狐妖異譚が結びつきだんだんと怪しい、陰険な方向へ変わってきたということらしい。と、言うか、狐にそういう負のイメージを担ってもらうことになったということです。

特に江戸では狐信仰が結び付いた稲荷信仰が盛んになりましたが、都市開発が進んで狐の棲息場所を侵食していることに後ろめたさを感じていることが、つまり狐の反乱と言ったらいいか、狐の祟りと言ったらいいか、狐付きという現象を生み出した一因(別な原因ももちろんある)ではないかといったようなことを宮田登氏は指摘していて、はなるほどなぁと思います。稲荷神社が増えたことと狐付きが増えたことには正の相関関係があったようです。

そういう江戸町民の意識的・無意識的心理的背景があって稲荷神社が増えていったのかもしれません。そういえば、先日参拝した上野の穴稲荷も巣穴を壊したからそこに祠を祀ったという。これも狐の祟を恐れて祀り始めた一例です。

そして品川神社にある阿那稲荷神社(上の写真)の「阿那」も「穴」の意味だそうで、巣穴を壊したことから仕返しを恐れて祠を建てて祀ったというものらしい。まだ調べたわけではないですが、都内の稲荷神社の起源がこの穴を祀るものが意外と多いのかもしれません。

祟られるのも嫌なので祀りあげ、同時に火伏の御利益・商売繁盛の御利益も得てしまう、民間信仰の一石二鳥のしたたかさが感じられます。

それと日本人の自然観というか動物観も見えてきます。動物の巣穴を壊して後ろめたさを感じ、そのまま平気な顔をしていられないという気持ちは現代人にも通じているように思います。

 

 

 

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2024/06/08

下田の陰祭り 下田太鼓の音が夜の街に響き渡る

 

 

 

 

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2024/04/01

福井昭夫作品展 2024/4/8~4/14

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福井昭夫作品展

2024年4月8日~4月14 日

11:00~18:00
(初日12:00~ 最終日16:00まで)

会場は、銀座ギャラリーあづま

https://galleryazuma.sakura.ne.jp/

 

 

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2024/03/09

さいたま市大宮盆栽美術館

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 何度も行っているさいたま市大宮盆栽美術館ですが、~3月20日(水祝)まで、特別展「煎茶と盆栽~「盆栽」の夜明け」をやっています。

今日の盆栽文化が成立した過程には、幕末から明治時代にかけて大流行した文人たちの煎茶趣味が関係していたこと、初めて知りました。 

庭園のみ写真撮影可です。掲載写真、上から順に

推定樹齢120年の欅

推定樹齢120年の五葉松

推定樹齢350年の五葉松「青龍」

推定樹齢45年の欅

じっと見ていると、根元に人や動物のフィギュアを置きたくなってきます。箱庭療法です。

箱庭療法は、スイス人のドラ・カルフがユング心理学を基盤として発展させて確立した心理療法です。箱庭にミニチュアの人形や動物や建物や植物などを配置するもので、無意識に降りてゆき、心を癒すひとつの方法として取り入れられているものです。

日本の江戸時代にもありました。盆の上に石を置いて風景を作る「盆石遊び」と呼ばれるものです。「盆石遊び」は小学校の教科書に載っているくらい、1950年代までは一般的な遊びだったようです。

このように伝統的に箱庭で遊ぶ文化があったので、箱庭療法が受け入れやすかったそうです。ちなみにノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士も子供のころ盆石遊びをしていました。

 

 

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