カテゴリー「いきもの塚【弔いの旅】」の72件の記事

2026/04/28

Y字路と犬卒塔婆(ザクマタ、ザンマタ)

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佐倉市のこのY字路は庚申塚で、延享二年十月に建てられたものもあります。

この庚申塚へ行ったのは、数年前の写真には、犬卒塔婆(ザクマタorザンマタ)があったからです。

犬卒塔婆は、地域でまちまちですが、村境とか川辺とかY字路とかに祀られたようです。

ある人の話では、昔Y字路に犬を葬ったらしく、犬卒塔婆のY字形は、Y字路だったからという興味深い話を聞きました。それが民俗学的に正しいかは別にして、地元の人間が納得できる理由の一つはこういうことかと感心して聞きました。だからY字型の卒塔婆で犬供養と同時に、犬にあやかった安産祈願(犬は安産だから)も行ったということのようです

でも、写真の通り、現在、この庚申塚には雑草が生えていて、犬卒塔婆も見えません。もう無くなってしまったかもしれません。

 

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ザクマタを奉納する「犬供養」の習俗は地元の十九夜講など女人講などが行うもので、主に安産祈願と言われています。

ただ最近はやらなくなっているらしく、残っていたこのザクマタには令和6年とあって、これがこの集落での最後のザクマタである可能性があります。

地元のある女性(このザクマタとは違う地区の人)はこのように言っていました。

30年ほど前、彼女が妊娠した時。ザクマタを奉納しました。彼女は講ではなく、個人で奉納したといい、Y字型の木を探してきて表面を削り、近くの住職に経文を書いてもらいました。

彼女の地区では木の下を尖らせて川辺に挿していました。挿す場所は決まっていたので古いものもそのまま残っていました。今はもうやってないので、ザクマタも残ってないでしょうね、とのこと。

『印西町史』には、

「難産で死んだ犬を供養しないと、女人の出産が重くなると思われていたから、Y字型の犬卒塔婆を作り、ムラの寺院の住職に読経してもらったり、(中略)ムラムラによってそれぞれ所定の位置に建てられていた」とあります。

犬の産死が災いするのでは?という恐れでしょうか?

今のところ、犬卒塔婆のY字型について、どうしてY字型なのかという理由が今まで見た資料には書いてありません。だれかそれに言及していると思うので、そのうち資料に行き当たるとは思いますが、なぜなんだろう?

『全国の猫神様をめぐる』の「御前崎の猫塚とねずみ塚」にも書いていますが、昔はここに二股になった松の木があったそうで「鯖尾塚」と呼ばれていたという。二又の樹が動物の塚だという考えはあったようですが、「二又」がなぜ動物の塚を表すのか?

『祭祀伝承の正統性―岩手県宮古市の事例から―』(鈴木正崇)によれば、川の場合ですが「二股に分かれる川の合流点の境界を表す印であったかもしれない。Y字形は死と再生を意味する神霊の「場所性」の表象ではないだろうか」とありますね。

犬は霊界と人間界を行き来できる動物と言われています。その境界(Y字路)にいるのが犬、ということなんでしょうか?

そうすると、あの人が言っていた「Y字形はY字路」も意味的にはまんざら的外れではないかもしれません。

 

 

 

 

 
 
 

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2026/04/09

「ベンジャミン号」の馬頭観音

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萬徳寺にある馬頭観音像です。十字架(ロザリオ)をつけ、着物姿の観音像で、台石に「ベンジャミン号に捧ぐ」と刻まれています。

ベンジャミン号は、1977年から1992年まで活躍した馬で、人間の不注意により非業の最期をとげたそうです。飼い主がベンジャミン号を悼み馬頭観音を建立したとのことです。

深堀すると、もっと興味深い話が出てきそうな予感。これから詳しく調べてみます。
 
 
 

 

 

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2026/04/06

動物の死と塚(碑)

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『全国の猫神様をめぐる』の冒頭で、ヴィーノが死んで火葬した翌日、ヴィーノと次に遊びに行く予定だった鎌北湖へ、骨壺持って行ったら偶然そこにビーグル犬の銅像も立つ「犬魂碑」があったことを書いています。

動物の死と塚(碑)を再意識した出来事です。そしてこれは猫像・猫碑を本格的に周ってみようと思ったきっかけにもなりました。


 
 

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2026/04/02

猫神社と犬神社

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写真は、遠野市の猫神社、大阪市の猫塚、座間市の伊奴寝子社、名古屋市の伊奴神社。

どうして猫は祀られるのか。

猫神社はたくさんあるのに、犬神社(いぬじんじゃ) は少ない。(ここでいう犬は、狼の「お犬さま」ではありません。四国九州の「犬神」も犬そのものというよりは憑き物の総称)

犬も安産・子育ての守り神になっていますが、意外と「犬神社」と呼ばれる神社はあまりないようです。(記憶によれば)

一方の猫神社は全国にたくさんあります。

猫に祟られるという話は聞いても、犬に祟られるという話はあまり聞きません。このあたりも関係するのかもしれません。

それと養蚕が盛んだったころは豊蚕を祈願して猫神社を建立したということもあったかもしれません。

 

 

 

 

 
 

 

 

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2026/03/28

猫像・犬像の比較

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『全国の猫神様をめぐる』では猫像・犬像の比較をしています。

2大ペットの猫と犬。

プライベートな猫像とパブリックな犬像の違い、猫は辻に葬り杓子を立てるなど特別な方法があるのに対して犬は畑などに埋められただけ、という葬法の違いなど。

この猫像と犬像の違いから、どうして猫は祭らなければならないのか、ということにも話は続いていきます。

全国には猫神社はたくさんありますが、犬神社というのはあまりありません。

 

猫:観泉寺の猫供養像
犬:ガイド犬・平治

 

 

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2026/03/25

安楽寺の鼠供養塔

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高崎市の安楽寺には鼠供養塔があります。

寺の裏は小高い小さな丘になっていますが、もともとは古墳であったらしい。その古墳の北東側に鼠供養塔が立っています。

解説看板によると、倉賀野河岸で舟問屋兼脇本陣を営んでいた須賀庄兵衛が寄進した寛政辛亥(1791)のもの。

舟問屋は荷を保管するため何棟も穀倉棟が並び、そこに巣食う鼠を駆除した際、その霊を供養して建てたもの。高さは135cm、幅28cmあるそうです。

「猫対鼠」では、どちらかというと(養蚕の影響もあり)鼠は悪者ですが、鼠は大黒天の神使で、食物との縁が深いことや多産なことなどから福神ともされています。また天災などの危機をいち早く察知する能力もあって、鼠も必ずしも「悪」ではありません。 

 

 

 

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2026/03/19

『全国の猫神様をめぐる:猫を祭る不思議な物語』

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『全国の猫神様をめぐる』は現在Amazonでのランキング「旅行ガイド」部門で、『地球の歩き方』に挟まれた25位になっています。 

【目次】を紹介します。
はじめに
第1話 青森県つがる市 高山稲荷神社の猫像
第2話 秋田県横手市 忠猫神社
第3話 岩手県陸前高田市 猫渕様
第4話 岩手県一関市 蚕養神社跡の巨大な猫神様
第5話 宮城県仙台市 栽松院の猫塚碑
第6話 宮城県石巻市 田代島の猫神社
第7話 宮城県丸森町 猫碑・猫像の聖地
第8話 福島県石川町 猫啼温泉神社と沢井八幡神社の猫像
第9話 栃木県日光市 金花猫大明神
第10話 埼玉県皆野町&小川町&秩父市 大日神社・笠山神社の猫札と城峯神社の猫像
第11話 東京都世田谷区 豪徳寺の招き猫
第12話 静岡県御前崎市 猫塚とねずみ塚
第13話 新潟県長岡市 南部神社の猫像とお札
第14話 新潟県南魚沼市 猫面鬼瓦と猫のお札
第15話 長野県千曲市 へそ出しの猫神様
第16話 長野県筑北村 修那羅峠の猫像
第17話 長野県塩尻市 唐猫の碑
第18話 京都府京丹後市 木島社の狛猫像
第19話 岡山県新見市 育霊神社の猫像
第20話 徳島県阿南市 お松大権現
第21話 高知県三原村 椿姫の猫像
第22話 佐賀県白石町 秀林寺の猫塚
第23話 熊本県水上村 生善院の猫像
第24話 鹿児島県鹿児島市 仙巌園の猫神社
引用・参考文献・ウェブサイト一覧(掲載順)

 

 

 

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2026/03/07

『全国の猫神様をめぐる』再校ゲラ

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再校ゲラが届きました。

チェックして10日ほどで返します。

出版は来月です。

 

 

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2026/02/26

扁額

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年季の入った扁額です。

稲荷神社ですが、こちらも東京都内の稲荷神社に多い、崖の「狐穴」を祀ったものかもしれません。

 
 
 

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2026/02/22

今日は「猫の日」

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今日は2月22日、「猫の日」です。

写真は陸前高田市立博物館所蔵の猫神様。

これは絶対撮影させてもらいたいと思った猫像の一体。口からのぞくノコギリのような歯がかわいい。

『全国の猫神様をめぐる』のHPができました。

 

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こちらは青弓社です。

https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787221094/

こちらはAmazonです。

 https://www.amazon.co.jp/dp/4787221094

 

 

 

 

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